トルコリラの見通しを考える上で抑えておきたい2つのポイント!今後の為替を想定する上で必見です!

元証券マンが語る相場観
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こんにちは!営業職研究所です!今回はトルコリラの相場についてお伝えします。あなたが担当しているお客様でも、他社を含めて保有されていることが多いトルコリラ。現在は含み損になっているかと思います。正しい情報をお客様にお伝えし、営業に活かしていきましょう。

トルコリラのポイントは2点 その2点とは『物価動向と政策金利』『経常収支』です。それでは始めます。

物価動向と政策金利

物価動向と政策金利について触れてみたいと思います。トルコは先月11月に行われた金融政策決定会合で利上げを行うまでは“実質金利”がマイナスになっていました。その通貨を保有するともらえる金利以上にモノの値段が上がる状態です。

簡単に説明します。

まずは一般的な経済環境の国の例です。

例えば、消費者物価が前年同期比+5% 政策金利10%だとします。

その場合、前年から物価は5%上がっています。そのため、前年100円だった卵は今年105円です。その一方で銀行に預けていたお金に対して100円に金利10%がついて、110円になりました。これが一般的な経済です。つまり物価<金利という状態です。

では実質金利がマイナスとはどのような状態か?

例えば、消費者物価が前年同期比+10% 政策金利5%だとします。

その場合、前年から物価は10%上がっています。そのため、前年100円だった卵は今年110です。その一方で銀行に預けていたお金に対して100円に金利5%がついて、105円になりました。その場合、105円にしかお金は増えていないので、去年は買うことができた卵が今年は買えなくなっています。つまり物価>金利という状態です。

実質金利がマイナスになりますと、その通貨を保有しているだけで価値が下がっていく状態です。このように実質金利がマイナスの通貨を、そのまま保有するでしょうか?おそらくしないはずです。例えば、モノ(ゴールド)にお金を買えたり、価値の下がらなさそうな米ドルに変えたりするはずです。

日本にいると、あまり実感が湧かないかもしれませんが、トルコではこのような実質金利がマイナスの状態が11月まで続いていました。これが大きく変わったのが、11月の政策決定会合です。政策金利が10.25%だったものを15%に引き上げました。これは大きな変化であり、この利上げにより実質金利はプラスになりました。

では実際の数字をみてみましょう。

10月の消費者物価は11.89%、この時の政策金利は10.25%。つまり、実質金利がマイナスです。一方で11月の消費者物価は14.03%、政策金利は15%となっています。つまり、実質金利がプラスです。この1年間は実質金利もマイナスでしたので、通貨が下落しやすい状況がつくられていました。しかしながら、政策金利の引き上げにより、今はわずかながら実質金利はプラスですので、通貨も横ばいになっている状況だと思われます。今までのように下落基調を辿ることはなさそうです。 金利が高いから買われやすいというのは間違いで、あくまでも物価と政策金利を確認し、実質金利がプラスなのかマイナスなのかを確認してください。トルコの消費者物価はこちら。政策金利はこちらから。

経常収支

経常収支とは国の収支を表す基準の一つで、ざっくりですが、貿易の輸出入から得られる収支とサービスによって得られる収支に利子とか配当を含めたものです。

結論を先に書きますが、トルコの経常収支は大きく赤字です。これが通貨安の要因になっています。ただ経常収支はこれから改善すると思われます。つまり通貨高の傾向にあると思います。

今は輸入>輸出という構図ですが、今後は輸入が減少傾向にあり、輸出にあたる部分は回復する可能性が高いと思います。またトルコの外貨獲得の肝であるサービス収支は今後回復すると思われます。

トルコでは貿易収支がマイナスです。これが構造的に通貨安になる原因です。貿易収支がマイナスということは輸出よりも輸入の方が多いということ。輸入が多い場合は通貨安要因になります。

輸入とは海外でモノを買って仕入れます。この時の通貨の流れを考えてみます。例えば、アメリカに旅行にいってお土産を買います。この時に支払いはドルですから、円を使う私たちは、円をドルに換えているはずです。この円をドルに換えるという取引は、金融的にいうと、円を売って、ドルを買っています。この取引が多くなれば、円を売る人が多くなって米ドルを買う人が多くなりますので、円安ドル高です。

トルコでは輸入が多いので、トルコリラ安が構造的に起きているのです。

輸入が多くても、輸出が多ければ問題ないのですが、輸出も世界的な景気減速で減速しています。そこに追い打ちをかけるのが、サービス収支の減少です。トルコの外貨獲得手段のメインは観光業です。今はコロナで旅行ができないですよね。そのため、トルコの通貨安が進んでいます。

今は経常収支のバランスが過度に崩れている状態です。せっかく、2019年4月から空港も全面改装して、エアラインも拡充したのに、トルコ政府としては地団駄を踏みたくなる環境でしょう。トルコのイスタンブール空港はすごい綺麗です。トルコ政府としては、ワクチンができて、落ち着いて旅行にいける世界を切望していると思います。

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では実際の貿易収支はどうなっているのか。昨年から数字を追いますと、毎月が-20億ドル弱から-30億ドル強になります。2019年の中頃から通貨の動きは安定していたと思います。つまり、これぐらいのマイナスであれば許容範囲です。

今年の数字は新型コロナが流行り始めた3月で-53.9億ドル、4月が-45.6億ドルです。このあたり大きな通貨安要因でしょう。しかしながら直近6月の数字は-28.5億ドルになっています。

これは輸入も減少しているからです。通貨安になると輸入するものの値段はあがります。トルコリラは年初で米ドルに対して25%下落しています。日本円が100円から125円になったのと同じですね。日本で考えると今まで100円で輸入できていたものが125円になるわけですから、今は輸入するのをやめようかなとなりますよね。つまり急激な通貨安は輸入を一時的に減少させます。貿易収支の観点から考えますと、これからしばらくは低位の赤字幅で収まると思いますので、過度な通貨安要因にはならないと思います。

あとは観光が戻ることがトルコリラの通貨高になるキーポイントだと思います。トルコのサービス収支は基本的にプラスです。昨年は毎月20億ドル~60億ドルといったところでしょうか。毎年バカンスのシーズンは高くなる傾向があります。そのため、サービス収支のプラスと貿易収支のマイナスが相殺され、経常収支はプラスになることもあります。プラスであれば通貨高要因です。中央銀行の通貨買い入れも必要ないでしょう。ただ、今はこのサービス収支がほぼゼロです。旅行にいけないですから。

ワクチンは既にできていますので、今後はサービス収支もプラスに転じ、貿易収支の赤字も少ない状況になってきていますので、経常収支は改善する可能性が高いです。問題は今後、人の流れがどのように回復するのかということです。この点に関しては、またブログを通してお伝えしていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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